ブックタイトル金沢大学広報誌|アカンサス No.45
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金沢大学広報誌|アカンサス No.45
Brand New Stage金沢大学研究の新時代へAMTI設計製造技術研究所研究成果の社会実装を見据えた技術開発を推進し,モノづくりの発展と産業創生につながる次世代設計生産技術を確立します。革新的な設計生産技術を確立IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)を活用した急速な技術革新が進む中,多様化するニーズに迅速かつ柔軟に対応する「オンデマンドモノづくり」が期待されています。本学は,オンデマンドモノづくりを可能とする「スマート設計生産システム」を実現するため,令和元年6月に本研究所を設立。モノづくりに必要な設計?製造?加工技術の研究で優れた実績を有する本学研究者が集結し,革新的な設計生産技術の開発を目指します。設計技術領域●機械学習?最適化部門シミュレーション技術を駆使した最適設計技術を開発●デジタルツイン部門実際の製品や製造工程を仮想空間上にリアルタイムで再現するデジタルツインを構築し,製造技術に適用モノづくりの発展と産業創生に向けて本研究所は,従来にない設計技術の構築を担う「設計技術領域」と,その新たな設計を具現化する製造技術の確立を目指す「製造技術領域」の2つの領域で構成。各領域が有機的に連携し,双方の技術の先鋭化を図るとともに,民間企業や自治体と共同で技術開発を進めることで,基礎?応用研究から実用化までを一貫した研究開発を推進します。これにより,新たな設計生産技術を確立し,モノ製造技術領域●金属AM技術開発部門金属付加製造(金属AM)技術の高度化を基盤に,新たな製造技術を開発●材料?構造開発部門ロボットやAIを応用した複雑な加工技術を開発●複合製造技術開発部門炭素繊維などを用いた新規複合材料や製造技術を確立づくりの発展と産業創生に貢献します。VOICE研究者の声製造技術領域金属AM技術開発部門金属AM技術の高度化で企業ニーズに応える金属AMとは,金属3Dプリンターとも呼ばれる材料の付加加工による製造技術で,新たなモノづくりを可能とする技術として注目されています。レーザーなどの熱源を用いて金属材料を溶融し,その材料を積層することで立体形状を造るため,従来の除去加工や変形加工ではできなかった複雑な形状の製作が可能です。しかし,長い加工時間や高いコストに加え,造形物の表面の粗さや使用可能な材料の制限などの課題を抱えており,本格的な普及には至っていません。本部門では,金属AMの強みを生かした製造技術を確立し,実用化につなげることを目標に,民間企業と共同でこれらの課題解決に向けた研究開発を推進。金属AMで造形した金型内部の冷却用水管内面に発現する凹凸を除去する装置の開発製造技術領域金属AM技術開発部門古本達明教授により水管の詰まりや冷却効率を改善したほか,現在は,硬度が要求される成型品に適用可能な新たな金属材料を開発しています。今後も,複雑な造形を可能とする金属AM技術のさらなる高度化と普及に向けて,企業ニーズを踏まえた研究開発を推し進め,モノづくり産業の発展を支える製造技術の確立を目指します。金属AMで造形する金型内部水管のモデル図459