ブックタイトル金沢大学広報誌|アカンサス No.45
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金沢大学広報誌|アカンサス No.45
Kanazawa UniversityCHALLENGE!金沢大学は研究成果の社会実装を目指し,産学連携や新規事業創出を推進しています!セルロースを活用した新製品開発へ令和元年7月,本学と株式会社ダイセルは,平成30年に締結した産学連携の包括的推進に関する協定に基づく協力関係を強化するため,共同研究講座「先導科学技術共同研究講座」を大学院自然科学研究科に設置しました。2つの研究テーマ「イオン液体中でのセルロースの誘導体化」「セルロースの高機能化」を軸に,植物繊維の主成分であるセルロースを活用した素材の開発や実用化に向けた共同研究を加速。本学の最先端研究とダイセルが有するモノづくりの知見を融合させ,植物由来の環境に優しい新製品の創出により人々の暮らしに貢献します。ダイセルまさる(左から)遠藤克特任助教新井隆特任教授金沢大学(左から)前田勝浩教授髙橋憲司教授長谷川浩教授共同研究講座とは?企業から研究資金と研究者を受け入れ,大学が施設や設備を提供して学内に新たな研究組織を設置する制度。特任教員として常駐する企業研究者と本学研究者が連携し,本学の研究成果の社会実装および産業展開を見据えた研究開発を推進します。セルロースを溶解するイオン液体を用いた新規セルロース誘導体製法の確立に挑む「プロセスイノベーション」と,有毒なヒ素吸着やレアメタル回収に活用できる高機能材料の開発を目指す「プロダクトイノベーション」の2つの革新に向け,両者の技術を結集して研究を進めています。電力会社初!配電工事にロボットを導入配電工事の人材不足が課題となる中,理工研究域フロンひろあきティア工学系の関啓明教授が北陸電力株式会社と共同で研究開発し,株式会社スギノマシンが製作した配電工事ロボットが,今秋から本格導入されました。ロボットが電線の被覆剥ぎ取りや切断時の重い工具を用いた作業を行い,作業員が接続部品の取り付けなど細かな作業を実施。ロボットと人の協働により,作業の省力化?環境改善が実現します。今後,ロボットの軽量化や適用できる作業種類の増加に向けた研究開発を進めていきます。アーム操作グリップ前後左右への移動や伸縮が可能なアームを操作グリップで制御革新的な骨粗しょう症スクリーニング骨の健康を保つことは,人々の生活の質を維持する上で重要です。理工研究域フロンティア工学系の田中茂雄教授は,骨粗しょう症の予防診断をより迅速で簡便に行える,光学式の骨密度測定装置を開発。従来のX線や超音波を用いた測定装置と異なり,放射線被ばくの心配やジェル塗布の煩雑さがなく,非接触かつ短時間で骨密度状態を評価します。平成31年1月にベンチャー企業Ostics株式会社を創業し,定期健康診断での実装に向けて測定装置の改良や臨床研究を進めています。手持ち型試作機据え置き型実用機研究シーズや産学連携についてのお問い合わせ先金沢大学先端科学?社会共創推進機構TEL:076-264-6111 E-mail:o-fsi@adm.kanazawa-u.ac.jpWebサイト:http://o-fsi.w3.kanazawa-u.ac.jp/1245