ブックタイトル金沢大学広報誌|アカンサス No.36

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金沢大学広報誌|アカンサス No.36

発見! 金沢大学の研究がこんなところにも地域医療に貢献する「血管内治療?遠隔指導システム」テーテルなどの医療器具を血管内に走らせ病巣を治療する「血管内治療」は,患者の身体に負担が少なく,大きな効果が期待できる治療法として急速に普及してきています。一方,その施術には高度な専門知識と医療技術が必要とされ,高難度の症例では,熟練した専門医やその指導が必要になるのが難点で,指導医が各現場を回るとなると,時間的な制約が大きいことが課題です。香田渉准教授は,この課題の解決に向けてEIZO株式会社とPFUビジネスフォアランナー株式会社と共同で,血管内治療のための遠隔指導システムの研究?開発に取り組んでいます。同システムでは,施術中の血管造影映像など,治療に必要な複数の医用画像を高精細な4K 映像に合成して遠隔地の指導医に伝送するとともに,指導医が音声と指示映像を送り返し,リアルタイムな遠隔指導を実現します。EIZO は医療用4Kタッチモニターと4K 映像合成装置の提供を,PFUビジネスフォアランナーは4K 映像の伝送装置などの機器の提供とシステムの統合を担当。香田准教授は同治療の豊富な指導経験に基づき,操作性の確認や機器の配置場所の提案,システムの検証などを行います。平成28年8月には臨床現場での実証実験が始まっており,平成29年のシステム実用化をめざしています。同システムの実現により,指導医の負担が軽減され,多くの治療を指導できます。さらには,若い医師の施術機会が増え,手技や治療効果が向上するなど,地域医療の発展も期待されます。カ医薬保健研究域医学系香こうだ田 渉わたる 准教授(左)肝腫瘍の治療時の血管造影映像。指導医はこのような画像から,治療の状況を把握し,病巣位置の指摘や治療の指示などを行います(下)指導医によるシステム使用時の様子。付属のカメラやマイクによって,自身の手さばき映像や音声によるアドバイスを送ります医療Medica l Ca re04病巣カテーテル

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