ブックタイトル金沢大学広報誌|アカンサス No.36

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概要

金沢大学広報誌|アカンサス No.36

4 36ミッション機器の作成。ボンディングマシンを用いて,電気回路を接着します01Art i f icial Satel l ite人工衛星実物大の超小型衛星模型を囲む研究者ら(左から)総合メディア基盤センター笠かさはら原 禎よしや也 教授,理工研究域電子情報学系八やぎたに木谷 聡さとし 教授,総合メディア基盤センター井いまち町 智ともひこ彦 准教授,理工研究域数物科学系米よねとく德 大だいすけ輔 教授宙にはまだ私たちの知らない未知の現象が隠れています。金沢大学衛星(Kanazawa-SAT3)プロジェクトはこの未知の現象の解明に挑戦,超小型衛星の開発に取り組んでいます。目的は大きく2つ。1つは小型のX 線撮像検出器を搭載して,宇宙で最大の現象であるガンマ線バースト現象や突発的なX 線天体現象を観測し,その発生時刻や発生方向を明らかにすること。もう1つは,重力波と同期したX 線観測により,ブラックホール形成のメカニズムなどを解き明かすことです。宇宙空間でミッションを遂行するために衛星の内部に搭載する機器は既に試作機の作成と動作試験を終了し,現在は実際に衛星に搭載するモデルの製作に着手しています。衛星本体の要件として重要なのは,打ち上げのときに壊れないことです。打ち上げ時には,非常に大きな重力と振動による負荷がかかります。だからといって丈夫にすると重くなり,ロケットに載らなくなるため,強度と重さの釣り合いが大切です。また,宇宙まで到達すると,+200℃から-200℃の環境にさらされます。そのような状況下でも,内部は室温程度に保つ必要があり,これらの要件を満たし,宇宙空間で確実に「生き延びる」衛星を作り出さなくてはなりません。こうした科学観測を目的とした超小型衛星は珍しく,成功すれば本格的なX 線やガンマ線を観測する世界初の超小型衛星となります。Kanazawa-SAT3は2018年に宇宙航空研究開発機構(JAXA)のロケットに相乗りして打ち上げることを予定しており,その日に向けて,研究者らは日々奮闘しています。宇金沢大学超小型衛星Kanazawa-SAT31号機を飛ばせ!

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