輔仁大学
2023年度 アジア〈台湾〉
Y. N.(人間社会学域 国際学類 3年)
台湾の輔仁大学におよそ10か月間留学していました。
留学先を決めるまで
初習言語で中国語を履修していたことから中国語圏に留学しようと決めていました。もともとは中国の大学に留学しようと考えていましたが、新型コロナの影響でそれがかなわず、同じ中国語圏で既に新型コロナの規制が緩和されていた台湾に変更しました。留学の計画を立てている時点で、私はあまり外国語に自信がなかったので留学生へのサポートが手厚さを基準に大学選びを行いました。台湾に留学されていた先輩にお話しを聞く中で、現地学生との交流が活発であり、留学生向けのイベントや言語クラスがある輔仁大学に決めました。
留学前の準備
輔仁大学は9月上旬から授業が始まることから第2クォーターのうちから計画的に準備しておくことが必要でした。具体的にはビザの手続き、留学先で寮に入るための手続き、携帯電話、日本で済んでいたアパートの退去の手続きなどがありました。特にビザは申請時、受領時ともに直接台日駐日経済文化代表処までいかねばならず、日程の調整に苦労しました。
留学前に知っておくと良い情報
一年間の留学をする場合、台湾に到着してから二週間以内に居留証を申請しなければなりません。基本的にオンラインで申請し、直接役所に行って受領します。この申請はかなり複雑で、また証明写真のサイズなどの規定が細かいため、わたしは現地学生に申請を手伝ってもらいましたがなかなかうまくいきませんでした。そのため居留証申請についてあらかじめ調べておいたり、留学先のチューターに協力してもらえないか確認することをお勧めします。
普段の生活では中国語を使うことがほとんどでした。若い人は英語を話せる人もいますが、中国語の方がコミュニケーションはスムーズに感じました。
台北市はMRTが通っているのでどこに行くにもとても便利でした。一方で新北市や宜蘭県など台北に近くてもかなり交通が不便な地域もあります。留学する大学を決める際にはほかの地域に出かけるのに便利な交通手段があるか確認することが大切だと思います。
留学中に取り組んでよかったこと
輔仁大学には留学生向けのイベントを行うIDEAという団体があります。この団体は月に1回小旅行や台湾文化体験などのイベントを企画しています。このイベントには留学生はもちろん、台湾人学生もたくさん参加するのでとても良い交流の機会になりました。
日中の授業とは別に、夜には留学生向けに中国語の授業が開かれていました。この授業では最初にテストを受け、4段階にレベル分けされて授業を受けます。中国語のレベルを上げるのはもちろん、留学生の友達を作る良い機会になるのでおすすめです。
留学中に大変だったこと
中国語で行われる授業についていくのがとても大変でした。日本で受けていた中国語の授業の何倍ものスピードで授業が進んでいくため留学中はずっと苦労していました。しかし台湾人学生はとても親切で、先生の言ったことでわからないことがあったら気軽に質問することができましたし、授業後にLINEで内容を説明してくれることもありました。
留学経験を活かしたいこと
留学を通して、金沢大学に留学している外国人学生の力になりたいと思うようになりました。複雑な書類の作成や携帯電話の契約といった場面で留学生を助けたいと思います。
卒業後の進路
留学を通して、日本のモノづくりに興味を持つようになりました。台湾で生活している中で、ドラッグストアの商品の1/3が日本製品であったり、友人に日本の製品は質が良くて信頼できるといわれたことをきっかけに、将来モノづくりに関わっていきたいと思うようになりました。現在はメーカーでの就職を目指して就職活動を行っています。
留学してよかったこと
留学して一番良かったなと思うことは人との出会いによって、自分とは違う価値観に触れたことで、柔軟な考え方ができるようになったことです。留学中は想定外の連続で、困ったことは何度もありました。コミュニケーションにおいても、当たり前という前提の違いからうまくいかないことがありました。それでも良いことはすぐに肯定して、励ましてくれるポジティブな台湾の人の影響を受け、なんでも前向きに考えられるようになり、困ったことがあってもそれも楽しめるようになりました。
また違う価値観を受け入れることができるようになったと同時に、留学を通して自分自身のこともよく知り、受け入れることができるようになったと思います。
これから留学を考えている人へ
留学は私が思っていたよりもずっと、私の将来に影響を与えたように感じます。きっとあなたの将来にも素敵な影響をもたらしてくれるはずです。すこしでも留学に興味があるのなら、勇気を出して日本を飛び出してみるのもありだと思います。