ネヴァダ大学リノ校
2023年度 北米〈アメリカ〉
H. K.(人間社会学域 国際学類 3年)
私は、アメリカ合衆国の西部に位置するネバダ州という州のネバダ大学リノ校(UNR)に約10か月の交換留学に行ってきました。そこには、海外で価値観の違う人と交流してみたい、英語を得意から武器へと変えたい、自分の保守的な殻を打ち破りたい、といった理由がありましたが、やはり通常の学生生活では味わえないかけがえのない経験をしてみたい、というものが大きな理由としてありました。また、アメリカを選んだ理由としては、人種のるつぼであるアメリカなら、多くの価値観を持つ人と交流できる、資本主義の本場でビジネスを学んでみたい、そして大きな声では言えませんが、野球好きとして、野球界最高峰のリーグであるMLB(メジャーリーグ)を見てみたい、というものがありました。
留学前の準備として、何をすべきか(すべきだったか)
留学準備が本格的に始まると、やらなくはならないことが大量に出てきます。まず1つ目に、留学関係なく、日本を出国し、アメリカに入国するための手続きが必要となります。その際に絶対にしなくてはならないのが、visaの取得です。留学するためには、J-1 visaというvisaが必要になりますが、visa取得の際には、東京、大阪、沖縄、北海道にあるいずれかのアメリカ大使館にて面接を受ける必要があります。また、必要な書類が数多くあるうえ、面接後のvisa発行も時間がかかるため、速めから着手することをお勧めします。
次に、UNRへ留学するためにも幾多の手続きをしなくてはなりません。全ては書ききれないので、ここでは大変だったものや重要だったものに限定させてもらいます。まず、自分がどこに住むのかを決めなくてはなりません。寮生と交友関係を深めることが出来るので、私は、現地の寮に住むことをお勧めします。しかし、ルームメイト選びには注意してください。実際、私の友人には、ルームメイトが深夜にゲームで騒ぎだして眠れない、部屋が異常に汚い、と言って困っている人たちがいましたので、ルームメイト選びは慎重に行うのが良いと思います。寮選びも激戦なので、早めに申請しないと、余っている寮(ボロイ、エアコンがついていない)に割り当てられてしまうので気を付けてください。
また、私が準備段階で後悔していることは、履修登録と航空券の予約を早く行うべきだった、貯金をするべきだった、ということです。1つ目に、UNRでは履修登録は先着順なのですが、履修登録は、必要な手続きを全て完了しないと出来ない仕組みになっていたので、ついつい後回しにしてしまい、希望する授業を全て受けることが出来ませんでした。2つ目に、航空券に関しても購入を後回しにしていたため、値段が高額なものをとる羽目にあってしまいました。3つ目に、貯金です。留学中、授業料は無料で、寮費や食費も親に負担してもらっていましたが、その他の費用は、私が自分で負担していました。言わずもがな、円安の影響もありアメリカの物価は異常なので、ある程度の貯金がないと留学をフルに楽しむことが出来ません。私は40万円ほどを貯金して留学しましたが、前期で全て溶けてしまい、後期は親に借金していました。
留学中の生活
まず言いたいのが、留学中、様々な苦難がありましたが、それらを乗り越えることが出来、楽しい留学にすることが出来たのは、友人達のおかげだということです。アメリカに着いた後は、慣れるのに約1か月かかりました。いきなり言葉が違う世界に放逐され、最初は全てにおいて右も左も分からない状況だったので、レストランでの注文の仕方、バスの乗り方、買い物の仕方など、全てが分からずスマホ片手に四苦八苦する日々が続きました。しかし、この状況を打破できたのはやはり、友達と積極的に行動していたからだと思います。自分と同じく、様々な国から来ていた留学生や、半年前までUNRから金大に留学していた友人と共に積極的に出かけていくうちに、アメリカでの生活が分かるようになっていきました。
また、授業においても、友達を作るのが得策かと思います。私は、英語に慣れるまでは、課題、プレゼン、GWなど、その授業でやらなくてはならないことの指示を自分1人では理解できませんでした。このままではまずいと思い、隣に座った人や、自分に話しかけてきた人に積極的に話しかけ、1つの授業で少なくとも1人は友人を作るようにしていました。彼らにはその後何度も助けてもらい、本当に感謝の言葉が見つかりません。
最初の1か月でUNRの生活に慣れ、英語も徐々に聞き取れるようになってからは、徐々に留学が充実した日々へと変わって楽しくなり、いつしか帰りたくないと感じるようになりました。特に、友人と共に行った旅行が強く印象に残っています。英語が徐々に聞き取れるようになってくると、英語で生活するのが楽しいと感じるようになり、旅行先などの自分にとっての未知の世界を英語で開拓する、ということに楽しみを覚えるようになりました。アメリカ国内では、ロサンゼルス、ラスベガス、マイアミ、オーランド、サンディエゴといった様々な場所を観光しました。中でも特に印象に残っているのは、ロサンゼルスに行った際に、私の最も好きな映画”BACK TO THE FUTURE”のロケ地を巡ったこと、ペトコパークにて人生初めてのメジャーリーグを、ドジャースタジアムにて大谷翔平選手と山本由伸投手を観戦したことです。違う言葉を使い経験したことがないことを経験する、というのは、日本では味わうことのできない充実感と爽快感を与えてくれるものだと思います。
留学後について
この留学を通して、英語を話すことの楽しさ、自分が成長する喜びなどを知り、私は海外や英語に対する不安を払拭し、自分に自信を持つことが出来ました。現在私は就職活動を行っていますが、国際的な活動に焦点を置き、英語を用いて外国の方々と交流することがある職場を重点的に探しています。私は、この10か月の留学を単なる思い出や経験で終わらせるのではなく、自分を変えてくれた人生の通過点として、将来、更に先に進めていけたら良いと考えています。
終わりに
今留学を考えている人の中には、怖くてなかなか踏み出せない、という人がいるかもしれませんが、言葉、文化、環境、その全てが違う場所に突然投げ出され、周囲の保護もなく全て自分でなんとかしなくてはならないので、それは当然のことです。私も、留学前は不安で仕方がありませんでした。しかしひと月も経てば、その不安は留学が終わることへの不安に変わるはずです。私は、留学最後の1週間はお世話になった友人達にさよならを言って回っていましたが、留学が終わり、また刺激の無い日常生活に引き戻されるのかと思うと怖くて仕方ありませんでした。長い夢を見ていた、覚めて欲しくない、そんな感覚です。皆さんの見る夢が、楽しく充実感のあるものになり、その中で新たな自分と出会えることを祈っています。いってらっしゃい!