サラマンカ大学
2023年度 ヨーロッパ〈スペイン〉
Y. M.(人間社会学域 経済学類 4年)
*留学先、留学時期について
私は2023年9月から2024年6月までの10か月間、スペインのサラマンカ大学、社会科学部に留学しました。サラマンカは、大学で学んでいたカスティーリャ語のみが公用語であり、他の現地語を学ぶ必要がないことや、訛りの強くないスペイン語が話されていることに加え、特に関心のあった、労働や労使関係に関する学科があり、それらを専門的に学べることが決め手となり、サラマンカ大学に留学する決断をしました。
*留学前の準備として、何をすべきか
言語能力の向上です。特に、サラマンカでは英語が通じない場面が多々あり、スペイン語の運用能力が必要不可欠でした。また、大学では留学初期から現地のスペイン人学生や、スペイン語ネイティブの留学生と共に授業に参加する必要があったため、言語能力の不十分さを痛感しました。
*留学先について知っておくとよい情報
サラマンカは、1年を通して朝晩の寒暖差が大きく、特に冬の寒さが厳しい地域です。日本から持って行く荷物としては、冬用の衣類や防寒具の割合が高くても良いと思います。
*留学中に取り組んでよかったこと、その理由
大学の授業とは別に公立の語学学校に通ったことです。B1、B2の授業を受けたことで、より正しいスペイン語が話せるようになったことを実感できました。また、国籍や年齢の多様なクラスメイトと交流する機会があったので、スペインだけでなく、さまざまな文化や考え方を学ぶことができました。
*留学中の苦労、それをどのように乗り越えたか
大学の授業では、スペイン語が十分に話せない学生は私一人だけだったため、周りの学生と同じように授業についていくことはできず、内容を理解したり課題をこなしたりするのに苦労しました。第1回の授業で、担当の先生に直接挨拶に行き、スペイン語が十分に話せないことを伝えた上で、アドバイスをもらうようにしていました。授業内で論文を読み、それに関連するグループワークをする授業では、周囲の学生と同じスピードで学術論文をよむことはできなかったため、毎授業後に次回読む論文を教えていただき、予習するようにしていました。また、理解できなかった箇所については、個別で質問したり、希望者が参加できる補講に参加したりするなどして解決できるよう努めました。
*留学経験をこれからどのように生かしていこうと考えているか
10か月間を通して、多くの友人を作ることができ、スペイン語の能力も向上しました。スペインでは、日本に来たいと考えている友人がたくさんできたので、彼らが日本に来た日には、彼らの母国語であるスペイン語で日本を案内したいと考えています。
*卒業後の進路について
私は、4年次に留学したため、留学期間中に就職活動を行いました。時差を上手く利用して、大学の授業を受ける前の早朝に会社説明会や選考に参加しました。オンラインだけの参加となり、不利かと思われる場面もありましたが、特別にオンラインで選考に参加させていただくなどの配慮をしていただけたので、それほど困る場面もなく第一志望の企業に内定をいただくことができました。
*留学してよかったこと、成長したこと、その理由
私が最も成長できた点は、他者に助けを求められるようになった点です。日本で暮らす間に直面した課題は、自分自身の努力次第で解決できるものが多かったですが、スペインでは、自分の力だけでは乗り越えられないことが数多くありました。そこで、遠慮しすぎず素直に助けを求めることや、自分のできないこと、わからないことを正直に伝えることは、直面している課題を解決する糸口になるとともに、周囲の人との信頼関係を構築する一助となりました。
*派遣留学を志す後輩へのメッセージ
派遣留学は限られた期間ですが、視野が広がり、日本では経験できないことをたくさん経験する良い機会です。それぞれの目的をもって、みなさんがその国ならではの素敵な体験をできること祈っています。