デンマーク コペンハーゲン大学

掲載日:2024-10-8

コペンハーゲン大学

2023年度 ヨーロッパ〈デンマーク〉

S. G.(人間社会学域 経済学類 3年)

はじめに

私は学類3年生の8月下旬~翌7月までデンマークのコペンハーゲン大学に留学しました。ここでは留学中の様子はもちろん、留学前と留学後にも触れ、少しでも役に立てる情報になればと思っています。北欧の国立大学での留学生活を通した経験が少しでも今後留学に挑戦する学生の助けになれば幸いです。

留学の動機と渡航準備

私は経済学類に所属しており、なかでも発展途上国に関する国際開発学に関心があり、ゼミではそれを専攻していた。途上国を学ぶなかで先進国であるデンマークへの留学はかけ離れた選択に見えるかもしれません。しかし、途上国が目指すべき姿に疑問を持ち、教育や一人当たりGDPなどから、近年注目度の高いデンマークに関心を抱きました。

 学内選考前に注意しておきたいのは語学スコアの取得と自身の留学動機の言語化。留学の決定後はVISA申請と寮の確保がやや難しかった。デンマークの場合であれば東京のVISAセンターでの必要書類の提出。そこから約2か月かかった。また、寮に関しては一斉に予約が可能となり、先着順で埋まっていく。そのため、VISA申請と住居の確保の情報確認は注意して行うべきだと思います。地域によってはワクチン接種等についても確認が必要かもしれません。奨学金に関してはJASSOを利用しました。その他にも魅力的な奨学金制度は多かったため、その応募条件を最低限クリアできるよう事前にGPAや、語学要件を確認しておくことを勧めます。

 金沢大学がデンマークの大学と協定を結び、初めての派遣であったため、先輩がおらずなかなか情報の収集は難しかったが、先生方からや同期生どうしで有益な情報集めに努めました。

留学中(大学)

 本来希望していた8月のプレセメスターコースへの参加はVISAの到着が予想以上に遅れたことで断念し、9月から授業に参加しました。秋学期はアカデミック英語とサステナビリティに関する授業を履修しました。冬学期は、ジェンダー教育とデンマーク映画に関する授業を選択しました。他国からの留学生、デンマーク学生のどちらとも交流できる機会が多く、交友関係を築くきっかけにもなりました。留学生が履修者の多くを占める授業は英語で行われ、グループワークやディスカッションが多く取り込まれていました。授業にもよりますが、課題量は多く、また、英語のためより多くの時間が必要でした。それでも図書館の環境も非常に充実で、ストレスなく勉強環境を確保できました。

 授業外では、日本語カフェという日本語に関心のある学生と日本人との交流イベントが週1回の頻度であり、そこで日本人との関わりを持つこともできました。

留学中(大学外)

 寮生活も留学生活の思い出の大きな部分を占めました。私の場合は41組でフラットを共有する形で、ルームメイトがおり、ルームメイトとの日常は互いの文化の違いを楽しく学べる場になりました。(良い生活リズムとは言えませんが)朝まで時にはお酒を飲み、時にはトランプで遊び続け、時には真剣に語り合っていました。同じ屋根の下で他国の人と生活をともにする機会はきっとそう多くなく、それは本当に多くの気づきと学びをもたらしてくれました。もちろんストレスが溜まる一面もありましたが、それを共有できる人がいたし、一緒に真剣に向き合える時間があり、結果的に人との結びつきを強めてもくれました。だから、後輩のみなさんにもすぐに悲観的にならず、少し前を向いて向き合ってほしいと思います。

 自転車大国でのサイクリング、貴重な晴天時の外遊び、キャンドルとともす過ごすhygge…授業外での経験も間違いなく貴重でした。その他にも個人的には飲食店で働く経験をしてみたり、子どもの自然体験教室に参加してみたりなど、幅広く取り組めたことが、多様な人々との交流につながり、嬉しかったです。

最後に

 ヨーロッパ、とくに北欧地域への留学は金銭面でのハードルが高いかもしれません。本当に奨学金は助かりましたし、それなしでの実現は間違いなく簡単ではありませんでした。ただ、一度行ってしまえば、友達と「お金ないね」と言いながら自炊生活をし合ったり、遠くまで自転車移動したりとそれも思い出になりました。

 また、英語力は渡航前に鍛えておきたいですが、周りには正直英語力は欠如しながらも自分の意見を上手に伝え、会話が本当に充実して楽しませてくれる人もいました。英語力を言い訳にコミュニケーションに消極的にはならないでほしいですし、私自身もそう心掛けるようになりました。

 留学に行くだけで大きく成長するというのはきっと誰にでも当てはまることではなく、留学中に一歩いつもより勇気を出して行動した人だと思います。せっかくのチャンスが大きな成長につながることを祈っています。

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