オーストラリア国立大学
2022年度 オセアニア〈オーストラリア〉
N.T.(国際学類 4年)
私は2023年2月から12月までの10か月間、オーストラリア国立大学(ANU)に留学していました。ANUはシドニーから車で3時間ほどの首都、キャンベラに位置しています。キャンベラはのどかで自然豊かな街で、勉強に集中することのできる環境が整っています。私にとってこのANUでの留学生活は毎日新たな発見や学びがある、非常に充実したものとなりました。この報告書が派遣留学を計画している皆さんにとって有益なものになれば幸いです。
留学に至るまで
私は入学当初から派遣留学に関心があったため、早い時期からパンフレットやホームページなどを使って情報収集をしていました。多数の協定校の中からオーストラリアを留学先に決めたのは、興味があったジェンダー学の授業が多くあったこと、そして多文化社会でありさまざまな国籍の人と交流できる環境があったことが理由です。
留学先を決定してからは、必要なスコアを取得するためにIELTSの対策と受験を始めました。ANUに留学するためにはIELTS6.5以上(各セクション6.0以上)をとる必要があり、期限までにスコアを上げるのに苦労しました。対策として、苦手だったライティングは毎回文章を添削してもらい、ほかの分野に関してはとにかく演習することを意識しました。IELTSは受験料が高く、十分な対策が必要なので、留学を決めたら早めに受験することをお勧めします。
また留学するにあたって、外部の業務スーパージャパンドリーム財団奨学金にも申し込みました。この奨学金では、JASSOの留学奨学金よりも多額の支援金が給付されます。ただ、JASSOよりもGPAの基準が高かったり、小論文を提出したりする必要があるので、こちらも早めに調べて準備をしておくことをお勧めします。
大学の授業について
ANUでは1学期に4つの授業を履修することができます。専攻や学部を問わずに興味のあるものを履修できるので、シラバスでどのような授業が開講されているか目を通しておくとよいと思います。私は専攻の国際関係論の授業と興味のあったジェンダー学、そしてオーストラリアならではのアボリジニに関する授業を受講しました。それぞれの授業はレクチャーとチュートリアルに分かれています。チュートリアルは15人から30人ほどの少人数で開講され、ディスカッションが中心になります。授業によってはプレゼンを行ったり、グループワークを行ったりするときもあります。また、どの授業でも毎週50ページほどの論文を読む必要があり、毎日予習と復習に多くの時間を費やしました。特に試験期間は、大量の課題とレポートがあり大変でしたが、現地でできた友達と一緒に勉強したり、わからないところを教えてもらったりして乗り越えました。
留学中の生活について
私は大学の学生寮に住んでいました。新しくできた寮だったのでとても綺麗で快適に過ごすことができました。キッチンは共用でしたが、料理をするときに友達と会話したり、一緒にお互いの国の料理を作ったりと、コミュニティを広げるきっかけにもなりました。寮からキャンパスまでは歩いて15分ほどですが、快晴の日が多く景色も良いので、のんびり散歩がてら通学していました。寮ではほぼ毎週何かしらの催しやパーティーが開かれているので、勉強につかれたときはイベントに参加してリフレッシュしていました。新たな友達を作るきっかけにもなるので寮のイベントには積極的に参加したらよいと思います。また、寮にはスポーツチームもあり、私はバレーボールチームに所属していました。寮対抗の大会では優勝することができ、いい経験になりました。このような寮が主催するイベントに加えて、キャンベラでは街総出で季節ごとにフェスティバルが開かれます。このようなイベントに参加することで、キャンベラでの生活をさらに楽しむことができると思います。
オーストラリアでの生活や授業に慣れてきた後期から、学校以外のコミュニティに参加することを目的にアルバイトを始めました。アルバイトでは、国籍や文化の全く異なるメンバーとともに働くという貴重な経験をすることができ、自分の英語力に自信を持つことができました。オーストラリアは学生ビザでアルバイトができる数少ない国のうちの1つなので、余裕のある方はアルバイトを始めてみるのもいいかもしれません。
課外活動について
ANUにはたくさんのサークルやクラブ活動があります。私はその中で、日本文化に興味のある生徒が集まるJapan Clubに参加していました。Japan Clubでは、日本文化について知ってもらえるようなイベントが定期的に開催されていたので、それらに参加して友達を増やしました。また、Language Exchangeも毎週行われており、日本語を学んでいる学生と交流することもできます。とにかく授業の課題が多いので毎週参加することは難しかったですが、時々参加することでよいリフレッシュになっていました。このように、自分の興味のあるクラブに入ってみることで、ANUでの学校生活をより充実したものにできると思います。
最後に
「やりたいと思ったことにはすべて挑戦してみる」これは私が留学中に常に意識していた言葉です。はじめは毎日の講義についていくことに必死で、部屋にこもって勉強していたら1日が終わっていた、という日が何日も続きました。ただ、「せっかく留学に来ているならもっと多くの人と英語を使って交流してみたい」と考えるようになり、それからは勉強を最低限で済ませるようにし、積極的に出かけるようにしました。オーストラリアでの時間は限られていたので、やってみたかったこと、行ってみたかったところ、すべてに挑戦しました。10か月の留学の留学を終えた今、あの時積極的に行動したからこそ本当に多くの学びや出会いがあったのだと強く感じていますし、後悔なく充実した留学生活を送ることができたと思っています。
留学に行くか迷っている方もいるかもしれませんが、一度きりの大学生生活、やりたいと思ったことにはすべて取り組んでみてほしいです。勇気を出して行動を起こせば、そこから大きなものを得ることができると思います。留学前も、留学してからも、大変なことはたくさんあると思いますが、皆さんが充実した留学生活を送ることができるように応援しています!