フィンランド ユバスキュラ大学

掲載日:2024-7-16

ユバスキュラ大学

2022年度 ヨーロッパ〈フィンランド〉

M.A.(人間社会学域国際学類 4年)

私は20228月から20235月末までの約10か月間、フィンランドのユバスキュラ大学に留学をしていました。フィンランドといえばサンタクロースやムーミン、サウナの国として有名ですが、観光客としてではなく留学生としてフィンランドの生活を送ってきたからこその経験をここでお伝えできたらと思います。

まず、留学先にフィンランドのユバスキュラ大学を志望した大きな理由としては、幸せの国と呼ばれるフィンランドの教育制度について勉強したかったからです。フィンランドが幸福度の高い国として有名なことはご存じでしょうか。実はフィンランドは世界幸福度ランキングで6年連続第1位になっており、その理由を探るため、さまざまな研究や調査が実施されています。私もフィンランドの幸福度がなぜそんなに高いのか興味がありました。それに加え、フィンランドを含めた北欧教育にも興味があり、本やインターネットで調べてみたところ目から鱗の教育内容が多く、もっと勉強したいと思いましたし、この教育が幸福度と関わりがあるはずだと考えていました。また、1学期ではなく2学期という期間留学しようと決めたのは金沢大学の手厚い経済的サポートがあったからです。留学には多額のお金がかかりますが、JASSOの給付奨学金や帰国後の授業料に対する奨学金など、金沢大学は他の大学に比べても経済的サポートが充実しているため、2学期という長い期間を通して勉強したいという希望を果たすことができました。

留学先を決めた後は、留学前の準備が必要ですが、フィンランドのような物価の高い国に行こうと考えている方はできるだけ日本で消耗品を買っていくと良いと思います。ただ、フィンランドに関して言うと古着屋が多く、私は古着のコートを2500円程度で買えたので、服はあまり心配しなくても大丈夫だと思います。また、現地ではクレジットカードを使う機会が多いのですが、サイトによって使えるカードが限られていたり上手く処理されなかったりするので何枚か持っていくと良いと思います。

ここからは留学中に取り込んで良かったことについて、たくさんあるのですが、1つ取り上げたいと思います。それは、日本コミュニティや日本文化交流イベントへの参加です。これは留学生あるあるだと思うのですが、留学生用のアパートに住んで留学生向けのイベントに参加していると、現地の正規学生(ここで言うフィンランド人の学生)と知り合う機会が非常に限られてしまいます。現地の学生からしても、半年や1年で帰ってしまうとわかっている留学生と積極的に関わろうとするのは難しいかもしれません。しかし、私はユバスキュラ大学の日本語のクラスを見学させてもらったり、日本人とフィンランド人の交流イベントに参加したりすることでたくさんのフィンランド人関わる機会をつくることができました。そういった日本コミュニティには日本に興味や関心を持っている人が集まるので会話も弾み、友達になりやすいです。

初めての海外で慣れないことも多く、英語も上手く使えなかったりホームシックになったりと大変な面は多かったですが、フィンランドならではの大変さといえば冬の寒さと暗さだと思います。冬になると日が短くなり、朝の10時ごろ日が昇ったと思えば14時に日が沈むような日々が続いて気持ちがどんどん落ち込んでしまいました。そんな状況でも生活できたのはやはり友達の存在が大きいと思いますし、そんな状況だからこそ、フィンランドにはそれを乗り越えるための知恵がたくさんあるのだと気づけたのだと思います。

ここに書いた内容以外にも、いろんな方が支えてくださったおかげで本当にたくさんの経験をすることができ、無事10か月の留学生活を終えることができました。留学を終えた現在でも現地でできた友達とやりとりを続けていますし、英語を使う機会を見つけたりフィンランド語を勉強したりと、留学経験が活きていると感じます。また、自分が留学先でチューターの方にお世話になった経験から自分自身も金沢大学でチューター制度に登録しました。大学卒業後の進路に関しては、もともと日本語教師に興味があったのでそれも視野に入れつつ、日本語や日本文化と関われるような仕事に就きたいと考えています。

これから留学をしようと考えて私の報告書を読んでくださった方は、おそらく他の方の留学体験記を読んだり報告会に参加したりして「留学をして良かった」という声をたくさん聴いていると思います。留学体験は人それぞれですが、留学をして良かったという声が多いのは、日本に帰国したときに自分のものの見方や考え方に大きな変化を感じるからだと思います。私自身も留学先でいろんな国籍の方と関わるなかで自分のもっていた偏見や価値観に気づくことができ、留学前よりもいろいろな意見を受け入れられるようになりました。そして、日本に帰ってきて日本の良さに気づくことができました。そのような経験はどんな国でも関係なくできると思いますし、大学生でこの経験をすることで将来の選択肢は大きく広がると思います。

最後になりますが、留学したいと考えている後輩のみなさん、もしかしたらもう留学の準備を始めているかもしれませんが、その準備期間ももう留学の一部です。語学力を高めたり、普段扱わないような資料を準備したりと、大変な作業も多いと思いますが、私は自分の準備期間を振り返るとその時期もとても大切な時間だったと思います。充実した留学生活に向けて、ぜひ最後まで頑張ってください。応援しています。

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