カセサート大学
2022年度 アジア〈タイ〉
N.M.(人間社会学域法学類 4年)
私は大学4年の2022年8月から12月の5ヶ月間タイのカセサート大学へ派遣留学に行きました。これから留学先としてタイを選んだ理由や留学準備、実際の留学を通して学んだことなどについて書いていきます。
タイを選んだ理由
私は留学への申込時、将来日本企業の海外進出を支える仕事をしたいと考えていました。そこで日本企業の進出数が多いタイでその慣習や文化、言語を学ぶことで将来に役立てたいという理由で留学先を決定しました。タイの公用語はタイ語ですが、授業は英語で受講できるため、英語とタイ語のどちらの力も身につけることができると考え、その点も魅力的でした。
留学前
私が留学をしようと決めたのは大学3年生の秋頃でした。それまでも留学にずっと興味はあったものの、コロナが流行し無理だろうと諦めていたためそれまではあまり準備をしていませんでした。IELTSを1年時に受験していたのと、定期的にTOEICを受験していたので、申し込み時にはこのスコアを使いました。私は4年時で卒業時期をずらす予定もなかったため、就活と並行しての留学準備となりました。思ったように時間がとれず、手続の完了が出発の直前になってしまいとても焦りました。準備で1番大変だったことはビザの取得です。私はビザの取得は代行業者等に依頼せず自分で行いました。ビザの取得には必要な書類が多くありましたが、大使館のホームページを確認しても大阪大使館と東京大使館で書いてある内容が少し違い、分かりにくい点も多く何度か大使館に直接問い合わせました。(この問い合わせも電話がつながりにくく大変でした。)早すぎると思うくらいから準備をして予定が急遽入っても問題のない余裕のあるスケジュールをたてることが大切だと痛感しました。また、私は留学前に余裕がなく本当は打って行くべきだった狂犬病のワクチンを打つことができず、結局タイの病院でワクチンを打ちました。バンコク市内でも野犬を見かけることが少なくなかったため、ワクチンはきちんと打って行くことがおすすめです。
大学生活
授業開始の数日前に留学生のオリエンテーションが開催されました。私はオリエンテーションに参加するまで知り合いがおらずとても心細かったのですが、このオリエンテーションで学部が同じ韓国人の友人ができ、結局その友人とは留学が終わるまで1番よく出かける仲になりました。他の大学から来ている日本人学生とも知り合い安心できたため、授業開始の1週間ほど前に渡航し、このオリエンテーションには参加しておくのが良いと思います。初めは履修登録や大学のアカウント作成などの手続が多く戸惑うこともありましたが、分からない点は留学生担当のスタッフの方が丁寧にサポートしてくれたのでスムーズに留学のスタートを切ることができました。
私はbusiness administration に所属しマーケティングや経営に関する授業を3つとタイ語の授業を1つで合計4つの授業を履修していました。どの授業においてもグループワークを求められることが多かったことに最も日本との違いを感じました。中には教授が講義をすることはほとんどなくグループワーク主体で授業が進むものもありました。授業は3時間1コマと長く慣れるまでは大変でした。3時間が1コマだと前回の授業の復習にも時間を割いて講義をしてもらうことができ、グループワークの時間も長く充実した授業に感じました。授業はほとんどが対面授業でしたがオンラインの授業もいくつかありました。クラス内でコロナが流行してくると対面授業からオンライン授業に変更になることもあるようでした。
課外活動に関しては、サークルやクラブ活動に参加している留学生がたくさんいました。私はあまり機会がなくクラブ活動等には参加できませんでしたが、留学を通して海外での日本語学習に興味が沸いたため、別の学部の教授にコンタクトをとって日本語学科の授業に参加させてもらいました。これまで使っていた日本語を違う角度から見ることができ面白く、日本語学科の現地学生とも交流することができて楽しかったです。
休日、放課後
大学は敷地が広く食堂、カフェや図書館またスポーツ施設も充実しているので授業前後には友人と食事をしたり、運動をしたりしました。大学では大規模な音楽コンサートやお祭りなどのイベントが多く、それらに参加するのも楽しかったです。私は留学生寮に住んでいたので、帰宅後は寮のコモンスペースで友人と話したり共に課題を進めたりしていました。寮の近くにはコンビニやスーパー、屋台もあるため、夕食はたいていそこで購入し、このコモンスペースでおしゃべりしながら食べていました。休日には電車やバスに乗って観光に出かけることも多かったです。バンコクは公共交通機関が充実しており運賃も安いため出かけやすい環境でした。連続した休暇も何度かあり、そのときにはプーケットやチェンマイなどバンコクから離れた地域にも訪れることができました。カセサート大学は思っていた以上に日本からの留学生が多く、意識しないとせっかく留学に来ているのに日本人ばかりと過ごしてしまいがちになります。そのため自ら意識して他の国からの留学生と話をしたり出かけたりするようにしていました。その一方で日本人が多いメリットとして寂しさを感じることはあまりなく、また行動力があり意識の高い学生が多かったため、日本人同士で話をしていても自身の刺激になることが多かったです。
さいごに
留学前は学生最後の期間を友人と離れて過ごすことや就活と並行しての留学準備に不安もありましたが、今思えばそのようなことは悩むまでもありませんでした。留学したからこそ海外や日本各地からの新たな友人を作ることができ、新たな価値観を知り、新たな挑戦をすることができ、5ヶ月間というそう長くはない期間ではあるものの、確実に私の人生において忘れることができない貴重な期間になりました。留学という今しかできない経験をするチャンスを逃さずに挑戦できて本当に良かったと思っています。