アルカラ大学
2022年度 ヨーロッパ〈スペイン〉
S.M.(人間社会学域国際学類 4年)
留学先?留学時期
スペイン、アルカラ大学(前期は語学学校)
2022年9月から2023年6月の約10か月間
留学前の準備として、何をすべきか
手続き関係
1.希望する国?大学の決定…土地柄やスペイン語の種類から選択。私はカステジャーノ語を習得したいという気持ち、都市部と山地の両方を経験できる場所としてアルカラを選択。
2.大学2年の夏休み中に【金沢大学留学候補生としての申請】?11月中旬に内定通知
3.奨学金準備:財団法人業宇スーパードリームジャパン奨学金
2022年1月初週に大学を通して申請?2022年5月最終合格通知
4.大学側に必要書類の提出
5.アルカラ大学と【居住地?大学への入学申請?語学学校のコース選択】手続き
(3~5は同時進行)
6.在日スペイン大使館への申請?ビザの取得
大使館への提出物準備が最も苦労する。事前に必要物を問い合わせ、必要物をもれなく準備すること。
すべきこと
- 留学経験のある先輩に質問すること。
- 語学能力の向上(試験を受けるようにすると勉強がはかどったと思う)
留学先について知っておくとよい情報
同じスペインでも、地域によって話す言語(方言に似たもの)は様々であるため、自分が何を学びたいか?どういった生活を経験をしたいかを事前によく考えて、選択する必要がある。
留学中に取り組んでよかったこと
日本人留学生とスペイン人の交流の場「インテルカンビオ」を企画?運営したこと。現地にある日本語学校に協力を依頼し、日本語や日本文化に興味を持つスペイン人と多く出会うことができた。これをきっかけに互いの料理を教え合ったり、夜ご飯に出かけたりなど、特別なつながりや経験を得ることができた。
留学中の苦労、乗り越え方
言語の壁が常に自分の中の課題だった。例えば、留学後期から通い始めたアルカラ大学ではネイティブのスペイン人に囲まれながら授業を受けるため、みんなに理解できていることが全くで理解できないことや、質問にうまく答えられないことから日々ストレスを感じていた。乗り越え方は「勇気をもって周りの人に助けを求めること」。わからないから助けてほしいと話しかけるだけで、周囲の学生は想像以上に献身的にサポートをしてくれる。私は同じ授業の中で出会った友達が授業のノートを見せてくれたり、授業中も解説してくれたりしたことで、授業への理解度が向上した。語学学校においても「自分から話しかける」ということを意識した。結果、多くの友達を作ることができ、出かける機会やスペイン語を話す機会が圧倒的に増え、自分自身の留学が充実するものになった。「勇気を持って話しかける」行動1つで留学の充実度は大きく変わる。
留学経験をこれからどのように生かしていこうと考えているか
外国人留学生の生活支援:金沢大学にあるチューター活動を通して、現在はウクライナからの学生の支援を行っている。具体的には授業中に生まれた不明点の解説やリスニング?スピーキングの課題のサポート。留学中、現地の友達からのサポートが何よりも心の安らぎになっていたため、自分自身も同じようにサポートを続けたい。
卒業後の進路について
現在就職活動中であるため、具体的には決定していない。しかしスペイン語や英語などを活用する機会がある仕事など、何かしらの形で国際的な関りを維持し続けることができる職業選択をしたいと考えている。
留学してよかったこと、成長したこと
留学をしてよかったことは数えきれないほどあるが、最も良かったと思うことは「かけがえのない人たちに出会えたこと」。語学学校の先生や友達、大学でできた友達、日本語学校で出会ったご夫妻やそのお友達…。特に語学学校で出会った韓国人のお友達とは何度も出かけ、お互いの言語や食事を教え合っていく中で、とても親しくなった。留学後も定期的に連絡を取り合い、仲の良い状態が続いている。世界各地に友達ができたのは留学のおかげだと思う。また留学中に最も支えになってくれたルームメイトとの出会いもかけがえのないもの。彼女の周りの友達や家族も、私のことを快く迎えてくれ、スペインでしかできない体験をたくさんさせてくれた。
また、留学を機に成長したこととして、【「違うこと」に対する価値観の変化】を挙げたい。留学に行くと自分自身が「日本人?アジア人」であること、つまり留学前にはほぼ感じることのなかった「人種」というカテゴリーを感じるようになった。またスペイン語しか通じない状況や、人が喜怒哀楽を感じる瞬間の違いなどから、日々【文化の違い】を感じていた。この他にも、バスでの過ごし方、タトゥーへの意識、友達との関わり方などの違いを感じる中で、「違うことは当たり前である」という意識が芽生えた。留学前の私は周囲と違う選択をすることに怖さを感じてしまっていたり、人と比べることが習慣になっていたりしたように感じる。しかし留学を経て、「私は私、他者は他者でいい」という意識を持つことができ、他者とは違う意見を持つことや表現することへの恐怖心が消え、自分自身への縛りをほどくことができた。また「こういう人もいる、こういう考え方もある」と他者へ寛容になることもできた。こうした価値観の変化が大きな成長だと感じる。
派遣留学を志す後輩の皆さんへ
まずは「留学したい」という気持ちだけでいいです。少しでもその気持ちがあるのなら、ぜひ留学してみてください。留学の一歩を踏み出すだけで、自分自身が予想もしていなかった美しい景色?大切な人たちとのつながり?美味しい食?面白い文化?かけがえのない思い出に出会うことができます。留学前は言語や全く異なる環境への漠然とした不安を抱えてしまうものですが、一度留学が始まればそうした不安は一気に消えていくものだと思います。
そう言われても「不安を感じるよ。留学への勇気が出ないよ。」という人には、留学の先輩をうまく活用してほしいです。どの先輩も留学前にはそうした不安を感じていた分、留学を控える後輩の力になることを億劫に思う人はいません。何でも聞いてください。
留学中にお勧めしたいことは「日本人で固まらないこと」、つまり「現地の友達をたくさん作ること」です。出会えた人の数だけ、自分自身の留学は充実したものになりました。私は留学中2人のスペイン人の女の子と共同生活をしていました。彼女たちのおかげでスペインの家庭料理を知ったり、日本への印象を聞くことができたり、スペインのクリスマスや年越しを経験したりすることができました。出会いは宝だと思います。言語が全くできなくても問題ありません。伝えようとする気持ちを持っていれば、不思議と大抵のことは通じるものです。だから現地で沢山の人と交流し、自分自身の留学を充実したものにしてください。
みなさんの留学が素敵なものになりますように!